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ブログ| セルフクリンチングファスナーの「セルジャパン」

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板金曲げ加工の精度と設計の制約を解決!代替工法で高品質・高付加価値な製品開発を実現

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精密機器をはじめとする製品開発において、板金部品の加工精度は、製品全体の品質を左右する重要な要素です。特に、部品に高さを設ける工法で「曲げ加工」を採用する場合、以下のような課題の原因になるケースは少なくありません。

  • コンマミリ単位の精密な寸法精度が出ない
  • 電子部品とのクリアランス(隙間)を確保したいが、加工時の歪みで安定しない
  • 加工のために板金全体の形状を見直す必要があり、設計の制約になっている

これらの課題は、現在の工法を見直すことで解決できるかもしれません。その解決策の一つが、「セルフクリンチングファスナー」の採用です。この記事では、板金曲げ加工の代替工法として、製品の品質と設計自由度を劇的に向上させるセルフクリンチングファスナーについて、詳しく解説していきます。

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板金曲げ加工で生まれやすい課題

先述のように、高い品質・精度が求められる製品開発に板金曲げ加工を採用するときは、以下のような課題が生じる可能性があります。

コンマミリ単位の精密な寸法精度が出ない

板金を折り曲げて高さを出す手法では、材料の反発(スプリングバック)や金型の摩耗、加工時のわずかなズレなど、多くの変動要因が絡み合います。その結果、狙い通りの寸法を安定して出すことが難しく、特に電子部品のような精密な組み立てが求められる場面で問題となりがちです。

電子部品とのクリアランス(隙間)を確保したいが、加工時の歪みで安定しない

基板などを取り付けるための高さを曲げ加工で設けたものの、歪みや角度のばらつきによって、他の部品との間に設けるべき距離が不安定になることがあります。これは、製品の性能低下やショートなどの致命的な不具合に直結しかねない、非常に深刻な問題です。

加工のために板金全体の形状を見直す必要があり、設計の制約になっている

曲げ加工を行うには、曲げ半径や立ち上がりの長さ、曲げの近くに穴や切り欠きを配置できないなど、特有の設計ルールが存在します。この制約が、本来実現したかった理想の形状やレイアウトを妨げ、開発の自由度を著しく低下させているのではないでしょうか。

板金曲げ加工の代替工法「セルフクリンチングファスナー」とは?

こうした課題の解決に適した代替工法として、「セルフクリンチングファスナー」の採用も一手です。

セルフクリンチングファスナーとは、圧入によって板金に取り付ける「ねじ機能を持つ締結部品」です。多くの方には馴染みのない言葉かもしれませんが、その仕組みは非常に合理的です。

セルフクリンチングファスナーは、平面の板金に下穴を開け、そこにスペーサーやナット、スタッドといった形状の部品をプレス機で圧入して固定します。

この圧入の際に、プレス圧によって母材である板金の金属が塑性変形(元の形に戻らない変形)を起こし、ファスナー側面に設けられた溝やローレット(ギザギザの凹凸)に流れ込みます。これを「金属流動(メタルフロート)」と呼びます。この作用によって、ファスナーは母材にがっちりと食い込み、回転方向(回り止め)と軸方向(抜け止め)の両方に対して非常に高い保持力を発揮します。

従来の工法では、一枚の板金を「曲げる」ことで、高さを生み出していました。これに対してセルフクリンチングファスナーは、板金を曲げるという不安定要素の多い加工に頼るのではなく、単体で高い寸法精度を持つ部品(ファスナー)を後から取り付けることで、極めて正確かつ安定した高さ(支柱)を確保するというのが、この工法の本質的な考え方です。

溶接のように熱による歪みも発生せず、特別な資格も不要なため、誰が作業しても安定した品質を実現できる点も、セルフクリンチングファスナーの大きな特徴といえるでしょう。

【徹底比較】板金曲げ加工 vs セルフクリンチングファスナー

従来の板金曲げ加工と、セルフクリンチングファスナーの工法について、その違いを分かりやすく整理してみましょう。

どちらの工法が自社の製品にとって最適なのかを判断する材料として、ぜひ参考にしてください。

  板金曲げ加工 セルフクリンチングファスナー
寸法精度 △高精度は困難 ◎コンマミリ単位の精度を実現
設計自由度 △板金形状の変更が必要 ◎平面のまま高さを付与可能
トータルコスト ○部品コストは不要 ○部品コストは発生
総合評価 △精度が求められる場面では不向き ◎精密さが求められる場合に優位

コストで比べると、部品コストがかからない板金曲げ加工に利点があります。しかし、製品に「精密さ」が求められる場合、その優位性は揺らぎ始めます。寸法精度や設計自由度といった、製品の付加価値に直結する項目においては、セルフクリンチングファスナーが圧倒的に優位です。

セルフクリンチングファスナーがもたらす3つのメリット

比較表で示した優位性は、具体的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは、製品開発において特に重要な3つのポイントに絞って詳しく解説します。

【メリット1】精密部品に求められる「コンマミリ単位」の高精度を実現

最大のメリットは、圧倒的な寸法精度にあります。セルフクリンチングファスナーは、部品そのものが精密に製造されています。そのため、板金に開けた下穴に対して垂直に圧入するだけで、コンマ1mm単位のシビアな高さ精度を容易に、そして安定して実現することが可能です。

セルフクリンチングファスナーなら、板金曲げ加工で問題となるスプリングバックや加工機の個体差、作業者の熟練度といった不確定要素がほとんど介在しません。その結果、基板と筐体のクリアランス管理や、複数の部品を正確に積み重ねるような構造において、絶大な効果を発揮します。

この精度の高さは、製品全体の品質を向上させ、組み立て工程での調整作業の削減や、市場でのトラブルリスク低減にも繋がり、製品への信頼性を確固たるものにします。

【メリット2】板金形状を変えず、設計自由度を向上

セルフクリンチングファスナーを用いる場合、母材となる板金は平面のままで加工が完結します。これは、設計者にとって非常に大きなメリットです。

曲げ加工の場合、「曲げの近くには穴を置けない」「立ち上がりの長さは板厚の数倍必要」といった多くの制約を考慮しながら設計を進める必要がありました。部品の配置や全体の形状が、加工の都合によって大きく左右されてしまうのです。

一方、セルフクリンチングファスナーであれば、板金は単なる「土台」として扱えます。曲げを前提とした複雑な展開図を考える必要はなく、部品を配置したい場所に下穴を開けるだけで、自由に高さを付与できます。その結果、筐体の小型化や、より効率的な内部レイアウトの実現など、設計の選択肢が大幅に広がり、製品開発の自由度を飛躍的に高めることが可能です。

【メリット3】トータルで考える品質とコスト

「部品代が別途かかる」という点は、一見するとコストアップ要因に思えるかもしれません。しかし、これは短期的な視点です。設計・開発担当者であればこそ、「トータルコスト」と「製品価値」という、より広い視野で判断することが重要です。

例えば、「精密な寸法精度が出ないことによる組み立て時の手直し工数」「精度不良による部材の廃棄ロス」「市場で不具合が発生した際の対応コスト」を、想像してみてください。セルフクリンチングファスナーの導入は、これらの潜在的なコストとリスクを大幅に低減させるための「投資」と捉えることができます。

初期の部品コストを支払うことで、安定した品質、高い設計自由度、そして長期的な信頼性を手に入れることができるのです。特に、コストよりも機能性や信頼性が重視される分野においては、その価値は計り知れないものとなるでしょう。

導入事例・活用シーン

セルフクリンチングファスナーは、その高い信頼性と汎用性から、すでに多くの産業分野で採用実績があります。具体的にどのようなシーンで活用されているかを知ることで、自社製品への応用がより具体的にイメージできるはずです。

電子機器・通信機器

サーバ、通信装置、制御盤など、多数のプリント基板を搭載する製品で広く採用されています。筐体と基板、あるいは基板同士の距離を一定に保ち、電気的な安定性や放熱性を確保するスペーサーとして不可欠な存在です。平面のシャーシに高さを付与できるため、高密度な実装が求められる現代の電子機器に最適です。

医療機器

極めて高い信頼性と精密な組み立てが求められる医療機器の分野でも、その真価を発揮します。内視鏡や分析装置、手術支援ロボットといった機器の内部で、センサーや小型部品を正確な位置に固定するために使用されています。

自動車・航空宇宙

軽量化と高剛性が求められる自動車の電装部品や、航空機の電子制御ユニット(ECU)などでも活用が進んでいます。振動や衝撃が加わる厳しい環境下でも緩むことのない、その高い締結力が評価されているようです。

工法を見直して、設計と品質の課題を解決しませんか?

上記の事例に共通するのは、「精度」「信頼性」「小型化・高密度化」といったキーワードです。これらのテーマに直面する製品開発において、セルフクリンチングファスナーは強力な解決策となり得ます。

板金を曲げるのではなく、平面の板金に高精度な部品を圧入するという発想の転換が、製品の品質と開発の自由度を大きく向上させる可能性を秘めています。コンマミリ単位の精度を実現し、設計の制約から解放され、トータルで見た品質とコストの最適化を図る。セルフクリンチングファスナーは、特に精度が求められる精密部品の設計において、これからのスタンダードとなりうる最適なソリューションといえるでしょう。

現在の工法に少しでも課題を感じているのであれば、ぜひ一度、この新しい選択肢をご検討ください。

このようなお問い合わせを歓迎しています!

  • 製品開発の初期段階で、高品質かつスピーディーな試作品製作を依頼したい
  • 精密加工や難削材加工、複雑な形状の加工を請け負ってくれるところが見つからない
  • 既存の加工方法からの切り替えで、トータルコストの削減や品質向上を目指したい
  • 新たな部品の引き合いがあり、信頼できる加工パートナーを探している
  • 自社で加工している部品を外部委託し、生産体制を見直したい
  • 自動車業界のMSDSなどの厳格な環境規制に対応できる加工業者を探している
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