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ブログ| セルフクリンチングファスナーの「セルジャパン」

記事公開日

筐体設計者が知らない“ねじのゆるみメカニズム”と対策5選

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電子機器や産業機器、車載機器の金属筐体では、「ねじのゆるみ」は品質や安全性に直結する重要な課題です。 結論から言えば、ねじは「締付トルクが不足しているから緩む」のではなく、振動や熱膨張、座面の変形などによって締付力(軸力)が低下することで緩みが発生します。 そのため、締付トルクを上げるだけでは根本的な対策にはならず、使用環境に応じた締結方法や部品選定が重要です。 本記事では、ねじが緩む代表的なメカニズムを解説するとともに、設計段階で検討したい5つの対策について紹介します。

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目次

なぜねじは緩むのか

ねじは自然に回転して緩むだけではありません。

実際には

  • 締付軸力の低下
  • 部材の変形
  • 振動による微小滑り

これらが組み合わさることでゆるみが発生します。

設計時には「なぜ軸力が低下するのか」を理解することが重要です。

ねじのゆるみが発生する3つのメカニズム

振動によるゆるみ

設備や搬送装置では微小な横方向振動が繰り返されます。

これにより接触面が少しずつ滑り、締付力が低下していきます。

熱膨張・収縮によるゆるみ

金属は温度変化によって膨張・収縮します。

異なる材料同士では膨張率が異なるため、温度変化を繰り返すことで軸力が変化します。

座面沈み込み(初期なじみ)

締結後、

  • 塗装
  • メッキ
  • 表面粗さ

などが圧縮され、締付力が低下する現象です。

初期ゆるみとも呼ばれます。

 ねじがゆるむ主な原因

発生原因

発生しやすい環境

主な影響

振動

車載・搬送設備・工作機械

軸力低下・回転ゆるみ

熱膨張・収縮

制御盤・電源装置・屋外設備

締付力の変化

座面沈み込み

板金筐体・塗装品

初期ゆるみ

過大締付

全般

部材変形・ねじ破損

ゆるみ対策5選

対策

適正締付トルクを設定する

対策

ばね座金・歯付き座金を使用する

対策

ねじロック剤を使用する

対策

ダブルナット・ゆるみ止めナットを採用する

対策

クリンチングファスナーを採用する

薄板筐体では母材側の変形を抑えやすく、安定した締結力を確保しやすい点が特長です。適切な板厚・施工条件で使用することで、量産時の品質安定にも寄与します。

各対策の比較

対策

振動

熱変化

作業性

メンテナンス

座金

ロック剤

×

ゆるみ止めナット

ダブルナット

クリンチングファスナー

○※

補足:クリンチングファスナー自体は「ゆるみ止め部品」ではありませんが、薄板でも安定したねじ保持部を形成できるため、母材の変形やねじ山損傷を抑え、締結品質の安定化に役立ちます。振動に対しては、必要に応じてロック剤やゆるみ止めねじなどとの併用が効果的です。

設計段階で確認したいチェックポイント

設計時には次の点を確認しておくことで、多くのゆるみトラブルを未然に防ぐことができます。

  • 使用環境に振動はあるか
  • 温度変化は繰り返されるか
  • 板厚は十分か
  • 母材強度は適切か
  • ゆるみ止め部品が必要か
  • 締付トルクの管理方法は決まっているか

まとめ

ねじのゆるみは、単に締付トルクが不足していることだけが原因ではなく、振動や熱膨張、座面沈み込みなどによって軸力が低下することが大きな要因です。

そのため、製品の使用環境や母材の特性を考慮し、適切なゆるみ対策を組み合わせることが重要です。特に薄板金属筐体では、締結部の設計品質が製品全体の信頼性を左右します。設計初期の段階から最適な締結方法を選定することで、品質向上、組立性の改善、保守性の向上につながります。

[監修者プロフィール]
吉岡 正人(Yoshioka Masato)
営業担当課長
製造現場でも担当課長として長年加工に携わる。自身の加工経験とその後の営業経験からユーザーの声を聴き、自社の製品や工法で課題解決策を提案する。

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