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アルミ筐体の締結方法とは?軽量化で注目されるクリンチングファスナー活用のポイント

目次
アルミ筐体が採用される理由
アルミは鉄と比較して約3分の1の比重とされており、製品の軽量化を実現しやすい材料です。また、耐食性や放熱性、加工性にも優れていることから、電子機器や産業機器、車載機器など幅広い分野で採用されています。
アルミ筐体が選ばれる主な理由は次のとおりです。
- 製品全体の軽量化につながる
- 放熱性に優れ、電子部品の熱対策に有効
- 耐食性が高く、さまざまな使用環境に対応しやすい
- 加工性が良く、多様な形状の筐体製作に適している
一方で、アルミは鉄よりも軟らかい材料であるため、締結部にはアルミ特有の配慮が必要です。
アルミ筐体で起こりやすい締結課題
アルミは軽量で加工しやすい反面、材料特性によって締結部にさまざまな課題が発生することがあります。これらは製品の品質や耐久性に影響を及ぼす可能性があるため、設計段階から対策を検討することが重要です。
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トラブル内容 |
発生原因 |
設計時のポイント |
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ねじ山の損傷 |
アルミは柔らかい為、繰り返しの締め付けでネジ山が摩耗しやすい |
使用条件に応じて クリンチングファスナーの採用検討 |
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締め付け力のばらつき |
材料が変形しやすく締め付け条件によって 軸力が変化しやすい |
適正な締め付けトルク |
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電食 |
異なる電食同士が接触し使用環境によっては 腐食が発生 |
材質の組み合わせや表面処理を確認 |
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締結部の変形 |
局所的に荷重が集中しやすい |
荷重が分散できる締結構造や部品の選定 |
これらの課題は、アルミという材料の特性を理解し、用途や使用環境に適した締結方法を選定することで低減できます。
アルミ筐体に適した締結方法
アルミ筐体には、用途や板厚、必要な締結強度に応じてさまざまな締結方法が採用されています。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、製品仕様に適した工法を選択することが重要です。締結方法を選定する際は、強度だけでなく、作業性やメンテナンス性、生産性なども含めて総合的に検討することが重要です。その中で、薄板アルミ筐体や繰り返し締結が必要な製品では、クリンチングファスナーが有効な選択肢となる場合があります。
クリンチングファスナーが有効なケース
クリンチングファスナーは、薄板金属に専用のプレス機で圧入し、母材と一体化させて使用する締結部品です。アルミ筐体においても、板厚や使用条件が適していれば、安定したねじ保持力を確保できる締結方法の一つとして採用されています。特にアルミは鉄よりも軟らかい材料であるため、タップ加工では十分なねじ山数を確保できない場合や、繰り返しの締付けによってねじ山が損傷する恐れがあります。クリンチングファスナーは、母材に直接ねじ山を形成するのではなく、ファスナー側にねじ部を持つため、こうした課題の改善が期待できます。また、溶接工程を必要としないため、熱による歪みや外観への影響を抑えられる点も特長です。用途や設計条件によっては、品質の安定化や作業効率の向上につながるケースがあります。
クリンチングファスナーを採用するメリット
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項目 |
特長 |
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締結強度 |
安定したねじ保持力を確保しやすい |
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作業性 |
圧入工程で施工でき、量産にも対応しやすい |
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外観品質 |
溶接痕や熱変形が発生しない |
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メンテナンス性 |
繰り返しの締付け、取り外しに対応しやすい |
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品質の安定 |
締結部のばらつきを抑えやすい |
※使用条件や製品仕様によって異なります。
クリンチングファスナーはすべての製品に適しているわけではありませんが、薄板アルミ筐体や軽量化を目的とした製品では、有効な締結方法として検討されることが多くあります。
設計時に確認したいポイント
アルミ筐体の締結方法を選定する際は、強度だけでなく、製品の使用環境や製造方法まで考慮することが重要です。設計段階で次のポイントを確認しておくことで、量産後のトラブル低減につながります。
- 使用する板厚で十分な締結強度を確保できるか
- 製品に振動や繰り返しの締付けが発生するか
- 使用環境に応じた材料や表面処理が選定されているか
- 分解やメンテナンスを想定した構造になっているか
- 生産数量や製造工程に適した締結方法であるか
これらを事前に整理しておくことで、設計変更や組立時の手戻りを抑え、品質の安定や生産効率の向上につながります。
まとめ
アルミ筐体は軽量化や耐食性、放熱性など多くのメリットを持つ一方で、材料特性を考慮した締結方法の選定が欠かせません。特に薄板や繰り返しの締付けが必要な製品では、タップ加工だけでなく、用途に応じてさまざまな締結方法を比較、検討することが重要です。クリンチングファスナーは、安定したねじ保持力や作業性、量産性に優れた締結方法の一つであり、アルミ筐体の設計において有効な選択肢となる場合があります。製品に求められる性能や使用環境を踏まえ、それぞれの締結方法の特長を理解したうえで最適な工法を選定することが、品質向上や製造コストの低減、長期的な製品信頼性の確保につながります。
[監修者プロフィール]
吉岡 正人(Yoshioka Masato)
営業担当課長
製造現場でも担当課長として長年加工に携わる。自身の加工経験とその後の営業経験からユーザーの声を聴き、自社の製品や工法で課題解決策を提案する。このようなお問い合わせを歓迎しています!




