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バリとは?板金・金属加工で発生する原因と対策を解説

金属加工では、切断や穴あけ、切削などの加工を行った際に、加工部分の端部に「バリ」と呼ばれる不要な突起が発生することがあります。 バリは小さなものでも、製品の外観や寸法だけでなく、組立時の干渉や作業者のケガ、部品の動作不良などにつながる場合があります。そのため、金属加工ではバリの発生を抑える加工条件や、適切な除去方法を検討することが重要です。 一方で、バリを完全になくすことだけを目的にすると、加工時間やコストの増加につながる場合があります。製品の用途や要求品質に応じて、どの程度のバリを許容するのかを設計段階から明確にすることが重要です。 本記事では、バリが発生する仕組みや主な発生原因、製品への影響、除去方法、設計時に確認したいポイントについて解説します。
バリとは?
バリとは、金属を切断・穴あけ・切削などの加工を行った際に、加工部分の端部に残る不要な突起や薄い金属片のことです。例えば、板金に穴を開けた場合、穴の入口や出口に金属がめくれ上がったような突起が発生することがあります。これも代表的なバリの一つです。バリの大きさや形状は、加工方法や材料、加工条件などによって異なります。バリは加工後に除去する場合もありますが、製品の用途によっては一定の大きさまで許容されるケースもあります。そのため、「バリがある=不良」と一律に判断するのではなく、製品の要求仕様に応じて管理することが重要です。
なぜバリが発生するのか
バリは、加工によって材料が切断されたり変形したりする際に、材料の一部が完全に切り離されず、加工端部に残ることで発生します。
主な発生原因には次のようなものがあります。
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発生原因 |
内容 |
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工具の摩耗 |
刃先が摩耗すると材料をきれいに切断しにくくなる |
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加工条件 |
切削速度や送りなどが適切でないとバリが増える場合がある |
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材料特性 |
材料の硬さや延性によってバリの発生しやすさが異なる |
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金型・工具の状態 |
クリアランスや刃先の状態によってバリの大きさが変化する |
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加工方向 |
加工方法や材料の状態によってバリが発生する方向が異なる |
特に板金加工では、材料をせん断する際のクリアランスや金型の状態がバリの発生量に影響します。
バリによって起こる問題
バリは小さな突起であっても、製品の用途によってはさまざまな問題につながります。
① ケガの原因になる
鋭いバリが残った製品を手作業で扱う場合、作業者が指や手を傷つける可能性があります。
そのため、作業者が直接触れる部分では、バリの除去や面取りを行うことが重要です。
② 組立時の干渉
バリが残っていることで、部品同士が正しく密着しなかったり、組立時に部品と干渉したりする場合があります。
特に精度が求められる部品では、バリの大きさが組立性に影響することがあります。
③ 寸法や外観への影響
加工端部にバリが残ることで、測定する位置によって寸法値が変化する場合があります。
また、製品の外観を重視する場合には、バリの除去状態が品質評価の対象になることもあります。
④ 電気・電子部品への影響
電子機器などの筐体では、バリが配線や電子部品と接触することで、被覆を傷つけたり、短絡などのトラブルにつながったりする可能性があります。
そのため、電気部品の近くに加工端部がある場合には、バリの管理が重要になります。
バリの主な除去方法
バリの除去には、加工方法や製品形状に応じてさまざまな方法があります。
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除去方法 |
特徴 |
主な用途 |
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手作業による除去 |
ヤスリや工具などで除去する |
少量生産・複雑形状 |
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バレル研磨 |
製品同士や研磨材を接触させて除去する |
量産部品 |
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ブラシ・研磨 |
ブラシなどで加工端部を処理する |
板金部品など |
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面取り加工 |
加工時に端部を削る |
寸法・外観が重要な部品 |
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バリレス加工 |
加工条件を調整して発生量を抑える |
高品質が求められる部品 |
どの方法が適しているかは、製品の材質、形状、生産数量、要求品質などによって変わります。
バリを抑えるためのポイント
バリは加工後に除去するだけでなく、そもそもの発生量を抑えることも重要です。
主なポイントは次のとおりです。工具や金型を適切な状態に保つ
・工具や金型を適切な状態に保つ
・材料に適した加工条件を設定する
・板金加工では適切なクリアランスを設定する
・加工方向や加工順序を考慮する
・必要に応じて加工後のバリ取り工程を設定する
特に量産品では、加工後に毎回手作業でバリ取りを行うと、工数や品質のばらつきにつながる可能性があります。
そのため、設計段階から加工方法とバリの発生を考慮しておくことが重要です。
設計計時に確認したいポイント
バリによるトラブルを防ぐためには、設計段階で次の項目を確認しておくことが重要です。
・バリの許容値が明確になっているか
・作業者が触れる部分に鋭いバリが発生しないか
・組立時にバリが他部品と干渉しないか
・電線や電子部品と接触する可能性がないか
・バリ取り工程を必要とする形状になっていないか
・必要な箇所に面取り指示があるか
・量産時に安定してバリを管理できるか
「バリを完全になくす」という考え方だけではなく、製品の機能や安全性に影響する箇所を明確にし、必要な部分に適切な処理を行うことが重要です。
まとめ
バリとは、金属の切断や穴あけ、切削などの加工によって加工端部に発生する不要な突起や金属片のことです。
バリは、作業者のケガや組立時の干渉、寸法・外観への影響、電子部品への損傷など、製品や製造工程にさまざまな影響を与える可能性があります。
一方で、すべてのバリを完全に除去しようとすると、加工工数やコストが増加する場合があります。そのため、製品の用途や要求品質に応じてバリの許容値を設定し、必要な箇所に適切なバリ取りや面取りを行うことが重要です。
加工方法や材料、工具の状態などを考慮してバリの発生を抑えるとともに、設計段階からバリの管理方法を検討することで、品質の安定化や生産性の向上につながります。
[監修者プロフィール]
吉岡 正人(Yoshioka Masato)
営業担当課長
製造現場でも担当課長として長年加工に携わる。自身の加工経験とその後の営業経験からユーザーの声を聴き、自社の製品や工法で課題解決策を提案する。このようなお問い合わせを歓迎しています!




