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スポット溶接とは?資格は必要?用途やメリット・デメリットについてもご紹介!

スポット溶接とは、2枚の金属板を電極で挟み込み、大電流を流すことで抵抗熱を発生させた後、瞬時に冷却することで金属同士を融解・接合する溶接方法です。
大規模な工場やプラント、公共施設において、日々の業務を効率化し、生産性を向上させることは経営層にとって喫緊の課題です。
特に、製造プロセスの中核を担う溶接技術は、品質やコスト、生産スピードに直結するため、その選定は非常に重要です。
しかし、「溶接」と一口に言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれに異なる特性を持っています。
なかでも、自動車産業や家電製品の製造現場で広く活用されている「スポット溶接」は、生産効率の高さから注目されています。
本記事では、スポット溶接の特徴やメリット・デメリット、資格の有無まで、解説いたします。
スポット溶接とは?
スポット溶接とは、2枚の金属板を電極で挟み込み、大電流を流すことで抵抗熱を発生させた後、瞬時に冷却することで金属同士を融解・接合する溶接方法です。
重ね合わせた金属板の一部を点状に接合することから、スポット(点)溶接と呼ばれています。
自動車の車体や家電製品など、多くの製造現場で利用されている技術です。
スポット溶接に資格は必要?
結論から言うと、スポット溶接を行うために必須の資格はありません。
資格が求められていない点から、スポット溶接作業の危険性の低さが伺えます。
ほかに、たとえば、ガス溶接作業を行うには「ガス溶接技能講習」が、アーク溶接を行うには「アーク溶接等特別教育」の修了が求められています。
スポット溶接とほかの溶接方法との違い
溶接には、スポット溶接以外にもさまざまな種類があります。
ここでは、代表的な溶接方法との違いについて解説します。
アーク溶接との違い
アーク溶接とは、溶接棒と母材の間にアーク放電を発生させ、その熱を利用する溶接方式のことです。
アーク溶接は棒状の溶加材を溶かして接合部を形成するため、気密性の高い接合が可能で、厚い金属板の溶接にも適しています。
一方で、スポット溶接は2枚の金属板を点状に接合するため、アーク溶接のような面全体での接合はできません。
また、スポット溶接の方が熱によるワークの歪みが小さい傾向にあります。
シーム溶接との違い
シーム溶接とは、スポット溶接と同様に抵抗溶接の一種ですが、電極がローラー状になっています。
ローラー電極を回転させながら溶接することで、継ぎ目を連続的に接合する方式です。
スポット溶接が「点」で接合するのに対し、シーム溶接は「線」で接合するため、液漏れや気体の漏れを防ぐ気密性・水密性の高い接合が求められる場合に用いられます。
プロジェクション溶接との違い
プロジェクション溶接も抵抗溶接の一種ですが、事前に母材に突起(プロジェクション)を設けておく点が特徴です。
この突起部分に集中的に電流を流すことで、効率的に溶接を行います。
突起は複数、設けてあっても一度に溶接が可能です。
スポット溶接が薄い平らな板同士の接合に適しているのに対し、プロジェクション溶接は、ボルトやナットなどの部品を板に接合したり、厚い板同士を接合したりする際に有効です。
スポット溶接のメリット
スポット溶接は、その特性から多くの製造現場で採用されています。
溶接速度が速く、生産効率が高い
スポット溶接は、数秒から数十秒という短時間で溶接が完了します。
この速さが、生産ライン全体の効率向上に大きく貢献します。
特に、自動車の車体のように多くの溶接箇所がある製品の製造においては、この速度が生産性を大きく左右します。
自動化・FA(ファクトリーオートメーション)への移行が容易
スポット溶接は、ロボットによる自動化が比較的、容易な溶接方法です。
自動化により、人件費の削減や、24時間体制での生産が可能となり、生産能力を大幅に向上させることが可能です。作業の品質を均一化する効果も期待できます。
スポット溶接が可能なFA(ファクトリーオートメーション)の実現も可能です。
消耗部品が少なく、コスト削減につながる
アーク溶接など、ほかの一般的な溶接方法に比べ、スポット溶接では溶接棒などの消耗部品が少ないため、ランニングコストを抑えることができます。
作業者の技術力に依存しにくい
スポット溶接は、作業条件を一度設定すれば、その後の溶接品質が安定しやすいという特徴があります。
このため、作業者の熟練度に左右されにくく、品質のばらつきを抑えることができます。
異種金属の接合も可能
スポット溶接では、適切な条件を設定すれば、異なる種類の金属を接合することも可能です。
たとえば、異なる厚さの鋼板や、鉄とアルミなど、幅広い組み合わせに対応できる柔軟性があります。
スポット溶接のデメリット
多くのメリットを持つスポット溶接ですが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
機材が高価で、導入コストがかさむ
スポット溶接機は、アーク溶接機などに比べて高価な傾向にあります。
特に、ロボットによる自動化を行う場合は、さらに高額な設備投資が必要となります。
厚い母材の溶接には不向き
スポット溶接は、薄い金属板の接合に特に適していますが、厚い母材の溶接には不向きです。
これは、大電流を流しても、母材全体に熱が伝わりにくく、十分な強度が得られないためです。
気密性や防水性が低い
スポット溶接は「点」での接合であるため、接合部の隙間を完全に塞ぐことはできません。
このため、シーム溶接のように気密性や防水性が求められる用途には適していません。
スポット溶接の主な用途
スポット溶接は、その生産性の高さから、大量生産が求められる製品の製造に広く利用されています。
自動車産業
自動車の車体は、多くの薄い鋼板を組み合わせて製造されており、スポット溶接が主要な接合方法として用いられています。
家電製品の製造
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品の筐体外装部分の接合にも、スポット溶接が活用されています。
その他(航空宇宙、建設、医療機器など)
その他にも、航空機の機体や建設現場での金属部材の接合、医療機器の一部など、さまざまな分野でスポット溶接は活用されています。
まとめ
スポット溶接は、生産効率が高く、自動化が容易なため、特に大量生産を行う製造業において非常に有用な溶接方法です。
一方で、導入コストや気密性などの課題もあります。
溶接方法の選定は、製造する製品の特性や求める品質によって異なります。
スポット溶接の特性を理解し、適切に活用することで、企業の生産性向上とコスト削減に大きく貢献するでしょう。
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